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障がいのある人もない人も・ユニバーサルワークフローで会社を変える!事例研究会レポート
みなさん、こんにちは!(^^)/
人事プロデューサークラブの広報担当、人事の妖精・じん子ちゃんです!
もうすぐゴールデンウィークですねっ!
今年の暦は飛び石ですが、一気に11連休にしちゃってる方もいらっしゃるのでは?
じん子は久々に高校時代の友達と遊んだり、小さな旅に出ようかなと思っています。
みなさんにとって、日ごろのお仕事の疲れを癒す、楽しくて有意義な休日になりますよう、祈ってます!!
今日の人事プロデューサークラブ通信は、4/15(火)開催の事例研究会のレポートをおとどけします。
障がい者雇用について、既に取り組まれている企業さまも、これから考えていきたい企業さまも、ぜひ参考にしていただきたい新しい視点での事例です。
お時間のある時に、じっくりごらんくださいね!
☆ 人事プロデューサークラブ 第114回 事例研究会 ☆
テーマ
「コネクトアラウンドが目指す、新しい障がい者雇用の可能性へのチャレンジ」
ご発表者
株式会社コネクトアラウンド 代表取締役社長 浅井 司 氏
ご発表の前に、代表の浅井様(女性です!)より、次のようなメッセージをいただいていました。
「障がい者雇用の推進は、障害者雇用促進法の法定雇用率を満たす義務というだけでは上手くいきません。
障がいがある人が、その特性を生かし、活躍できる環境を作るということは、障がいのあるなしに関わらず、すべての従業員が働きやすくなる環境をつくる土台となります。
(中略)
これが、経営的に大きなメリットを生むことは間違いありません」
…そんな、コネクトアラウンドさんの取り組み、さっそく見ていきましょう!(^o^)
■ 株式会社コネクトアラウンドさんとは?
実はコネクトアラウンドさん、私たちToBeグループの代表・四分一が勤務していた株式会社クリーク・アンド・リバー社のアグリ事業を行うグループ会社なんです。
2022年にクリーク・アンド・リバー社の社内ベンチャーとして産声をあげ、同社の経営理念「人の能力は、無限の可能性を秘めています。私たちはその能力を最大限に引き出し、人と社会の幸せのために貢献します」のコンセプトの下、順調に業績を伸ばし4期目に突入。
浅井さん「大学院で施設園芸を研究していたせいか、日本の農業の後継者不足を解消したい、農業を安定したビジネスにしていきたい、そんな思いがありました。この事業を自分たちで持続可能なものとし、美味しくて体に良い食(たべる)を通じて、たくさんの人をつなげていきたい=農業に関わる人を増やしていきたいと思っています」
障がいのある従業員と共に働く環境を整備することで、全従業員に波及するプラスの効果をもたらす、コネクトアラウンドさんの事業は、川崎市のある商店街から始まります。
■ Fun Eat Makers(JR南武線「武蔵新城」駅 徒歩5分)
まず最初に、リーフ野菜の水耕栽培や2次加工品の製造・販売を行う6次化農業ビジネス&実習施設「Fun Eat Makers」の紹介がありました。
浅井さん「武蔵新城の商店街の中にあるテナントを借りて、野菜の水耕栽培を行っています。農場などを作らなくても、こういう普通の商店街の中でできるんです(笑)」
Fun Eat Makersは、店舗スペースの奥でリーフ野菜の生産を行い、入口側で加工・販売・イートインもできるような作りになっています。
まさに、生産→加工→販売が可能な6次化施設なんですね!
全体で300種類ぐらいある葉物野菜の中で、栄養価が高く、高単価で販売できる6種に絞って生産しているとのこと。
じん子がびっくりしたのは、こちらで栽培しているリーフ野菜の鮮度維持期間の長さです。
なんと、冷蔵で2週間も鮮度保持できるとのこと!( ゜Д゜)
そして、こちらで販売する「リーフパック」は、普通は廃棄する外葉と芯の部分をスムージーとして利用するので、廃棄はほぼ0だそうです!
今年の6月には、Fun Eat Makersの2号店を福島県大熊町にOPEN予定。
就労継続支援A型・B型作業所に、この野菜を使ったお弁当の製造委託も行っています。
■ 農林水産省が推進する「農福連携」
就農してくれる人が少ない「農業」と、仕事がしたい人に対して雇用数が少ない「福祉」の世界をマッチングさせる「農福連携」。しかし、現状は「○○を手伝ってもらう」というレベルに甘んじています。
それは、彼らが「できないから」なのかと言えばそうではなく、1つ1つできることを増やし、いずれは農業の担い手になっていけるような仕組みを提供していくことが重要だそうです。
浅井さん「就労継続支援A型・B型作業所でうちの作業を分担して下さった方の中で、うちに直接雇用になった方もいますし、その方が抜けた部分には新たに特別支援学校の卒業生に入っていただいたりといった流れを作ることで、地域の中での障がい者雇用を循環させていくという狙いもあります」
■ 多様な人が、戦力として働く仕組み
では、実際に障がいを持つ方を雇用する際、どのような点に注意されているのでしょうか。
障がい者の離職理由のほとんどは人間関係=コミュニケーションであると言われています。
こちらの指示を本当に相手が理解できたかどうか…障がいのない方であってもそこを数値化し測るのは難しいですよね。
そこで、就労支援を行うダンウェイ株式会社と協業することで、「言葉を獲得できていなくても理解できる指示の提示」を、まず始めることにしたそうです。
・障がい者の能力分析、適正配置
・ユニバーサルワークフロー開発
・合理的配慮提案と定着支援
…などをふまえ、障がい者1人1人の持つ情報取得経路およびその差異について、業務に落とし込む事例をご紹介いただきました。
■ ユニバーサルワークフローとは
例えば、障がいのある人に、ある業務を担当していただく場合、「無理させたらかわいそう」「これはさすがにできないんじゃない?」など、「できない」の視点でとらえ、その人の「できるチャンス」を奪っていることも、あるのではないでしょうか。
浅井さん「障がい者のできることがわからないという声をよく聞きます。まず、その人の意志を尊重し、『できること』を増やしていくことで成長を促すという視点が大切です。そして、受け取る側が理解できるやり方で指示を出すことも大事ですね」
このユニバーサルワークフローの考え方は、障害のある人だけでなく、従業員全員の労働環境を改善します。
浅井さん「これは、今の『働き方改革』の中でも非常に有効な考え方で、作業効率UPだけでなく、従業員のモチベーションUPにもつながります」
全ての企業でこの考え方が浸透した世の中を想像すると、なんだかとってもHappyなキモチになります。( ^^ )
相手の立場に立って物事を考え、お互いが「できること」を増やしていく。
障がいのある/なしにかかわらず、こうした視点が、世の中を変えていくんですね。
事例発表後の質疑応答コーナーでは、登壇者浅井さんへの質問の他に、質問者の企業の現場で、障がい者雇用の状況を共有したりなど、有意義な時間となりました。
浅井さん、貴重な機会をいただき、ありがとうございました!!
<参加者の声> 一部抜粋
・ユニバーサルワークフローについて、障害がある方向けでなくても日々の業務の中で業務の効率化や定着を検討する際に有効な考え方だと思いました。
・説明の仕方や相手がどう受け取るのかなど考えることが必要だなと再認識致しました。
■ コネクトアラウンド 今後の展開(一部をご紹介)
・東京、神奈川の販路→ 埼玉、千葉、大阪、京都、福島に拡大
・各エリアにおいて、就労継続支援A型、B型との連携を図り、障害者従業員を増やします。
・当社のフランチャイズ加盟店を増やし、一般企業に障害者の雇用を増やします。…etc
コネクトアラウンドさんのこうした取り組みに、ご興味をお持ちいただいた方は、お気軽にお問い合わせください!!
◆ 株式会社コネクトアラウンド
https://c-aro.com/