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障害者の能力を可視化し、定着率UPの方策を学ぶ ― 専門講座レポート
みなさん、こんにちは!(^^)/
人事プロデューサークラブの広報担当、人事の妖精・じん子ちゃんです!
いきなりですが、みなさんは杉山和一(すぎやま・わいち)って人、ご存知ですか?
杉山和一、またの名を杉山検校(けんぎょう)は、徳川第5代将軍綱吉の頃に活躍した盲目の鍼灸師で、無痛で正確に鍼(はり)を刺すことができる画期的な治療法「管鍼術」を学べる「杉山流鍼治導引稽古所」を開設した教育者でもあります。
当初は私塾としてスタートしたその稽古所が、幕府公認の講習所となったのが、1682年(天和2年)9月18日。
明日は、世界で初めて組織的に視覚障害者教育が始まった記念日なんだそうです。それが明治以降の盲学校(現在の視覚支援学校)につながります。
このように、日本は古くから、視覚障害者の職業組織(あんま、針灸、琵琶など)が整備されていたと言われています。視覚障害者のための公的職業教育施設が、日本では1682年に開設したのに対し、海外では遅れること100年後、パリで視覚障害者教育が1784年にようやく始まります。日本の障害者職業教育への意識の高さが伺えますね!
今回の人事プロデューサークラブ通信は、8/21(木)に開催された、障害者雇用に関する専門講座のレポートです。
ICTやAIを駆使した令和の最先端の障害者教育と雇用支援、そして定着まで。ダイバーシティ社会の実現のためにも、ぜひ知っておきたい施策です。お時間のあるときに、ぜひご覧くださいね!
p.s.
じん子は、杉山検校×綱吉のこのエピソード、好きです!
http://www.ejimasugiyama.tokyo/goyuisho.html
(上様の粋なはからい、泣ける…)
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ご登壇者・高橋 陽子さんより
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今回の専門講座開催の前に、ご登壇者である高橋さんのパーソナリティを知っていただこうと、インタビューを行いました。みなさん、お読みいただけましたか?
■人事インタビュー「人事のすがお」vol.9
ダンウェイ株式会社 代表取締役社長 高橋 陽子さん
https://jpclub.jp/sugao/vol009/
まだの方は、ぜひこのレポートと一緒にお読みくださいね。(´∀`)
今回は、この高橋さんに、障害者の持つ能力を可視化し、さらに引き出す「シームレスバディ®」の取り組みや、このノウハウを活用し、行政や民間企業等と連携した成功事例をご紹介いただきます。
高橋さんより
「これから迎える超高齢化社会、労働力人口不足の中、18歳以上の障害者(約1,060万人)の内たった約6%しか雇用に結びついていません。この大きな課題は、”障がい者は仕事ができない””障害者に指示が入らない”という、障害者と一緒に働く支援者の思い込みやノウハウ不足から障害者に対するコミュニケーションのやり方に要因があります」
さて、これらの問題を解決するため、ダンウェイさんおよび高橋さんはどのような試行錯誤を繰り返してきたのでしょうか。
《 アジェンダ 》
・障害者を取り巻く社会的課題
・障害者の能力見える化ができる「シームレスバディ®」の活用と分析から課題解決
・能力分析から導く合理的配慮の活用から、障害者1人1人の活躍、戦力化へ
・新たな障害者雇用、生産性向上、事業発展の成功モデル
・労働力人口低下の課題を新たな障害者雇用モデルで解決
・ダイバーシティの社会へ
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障害者雇用の道に、進むことになるきっかけ
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高橋さん「今22歳になる息子が3歳の時に、障害があることがわかりました。再重要度の知的障害という診断を受けたんです」
その時の高橋さんの心境を書き出してみると…
・うちの子が障害?
・なんで私だけ?
・全く受け止められませんでした
・キャリアの挫折を感じました
・殻に閉じこもってしまいました(孤独、絶望)
しかし、様々な方に背中を押していただく中で、障害者を取り巻く環境が非常に厳しいということがわかってきて、これまでの人事・労務の経験を活かして「障害者の秘められた能力を発掘・開花させたい」と、2011年に会社を立ち上げ、髙橋さんの挑戦が始まります。
「障害者の その人なりの自立」
「地域共生の実現」
この2つを柱に、事業を展開されてる高橋さんとダンウェイさんの、具体的な取り組みを見ていきましょう!
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「障害者雇用のノウハウ」を活かしたシステム
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「福祉」「教育」「クリエイティブ」「ICT」の4つの事業を展開されているダンウェイさん。
今回は、この中で「福祉(障害者就労支援、障害児支援)」の部門にスポットを当ててお話しいただきます。
高橋さん「下は中高生から上は大人まで、様々なトレーニングを行ってから企業に送り出し、雇用のマッチングも行っています」
さらに、就労後の定着支援まで行うダンウェイさん。
そうすると、様々なノウハウが蓄積されていきます。それをデータ化して多くの方に活用していただけるよう、独自の教材やソフト開発も行っているそうです。
障害者のために作ったシステムが、障害のない社員の生産性向上につながるという経験は、髙橋さんが以前勤務しておられた企業でも確かな実績として残っている…という事例もご紹介いただきました。
その全ての基本に「シームレスバディ®」の ―能力の見える化― があるんですね。
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NHK「首都圏ネットワーク」でも紹介されました!
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ここで、2024年12月13日にNHK「首都圏ネットワーク」で放映された実際の映像が紹介されました。
5人の知的障害を持つスタッフが、川崎市で野菜の栽培と販売を行う姿…そうです、今年の4月、人事プロデューサークラブ事例研究会で「コネクトアラウンドが目指す、新しい障がい者雇用の可能性へのチャレンジ」のテーマでご発表いただいた、コネクトアラウンドさんのリアルな現場の映像だったんです!
野菜の種植えや収穫、袋詰め、販売まで、知的障害の方が生き生きと働く姿を実際に拝見し、じん子もすごく刺激を受けました。「仕事をするのはここが初めて」という知的障害の女性が、「仕事をしていない時よりしている時の方が楽しいです」ときっぱりおっしゃっていて(゚▽゚)/
そんな彼らを支えるのが、AIを活用し、彼らの特性を活かした能力開発をする「シームレスバディ®」。
結果は200項目以上に分析され、数値化されます。(ここでは200と紹介されましたが、実際は300項目とのこと!)
例えば、「聴覚からの情報は得にくいけど、視覚からの情報は得意」「左右の概念を理解するのは苦手だけど、簡単な文字なら読める」などの情報から、各人に応じた職場環境の整備につなげていきます。
これって、最初に高橋さんがおっしゃっていた2つの柱「その人なりの自立」を進めていく上で、とっても心強いシステムだと思います!
この番組の中で、高橋さんの息子さん(当時20歳)が実際にPCの前でお仕事をされている姿も紹介されていました。
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現在と今後の障害者雇用問題
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キャリアサポートカルテ シームレスバディ(Seamless Buddy)®は、~切れ目ない相棒~という意味があります。
このシステムは、既に多くの企業で導入いただいていて、特に最初は大手企業からの問い合わせが多かったとのこと。また、静岡市や埼玉県といった、川崎市以外の行政との連携も始まっています。
しかし、現在の日本にはまだまだ課題が…。
令和5年の障害者白書によると、18歳以上の障害者の雇用率はたった6%。しかも、福祉の作業所などで働く人の平均工賃は、約1.7万円/月とのこと。
高橋さん「この賃金では経済的な自立は不可能です。障害を持つ子の親として、”親なきあと”にうちの子はどうなってしまうのか?と。だったら、これまでの経験を活かして課題解決をしないといけない、そういう危機感を感じました」
折からの人手不足もあり、障害のある方の雇用率も、ここ数年で増加基調にあるそうです。例えば、これまで雇用の対象外だった、言葉で意思疎通がしにくい人なども、新たな障害者雇用のターゲットとして注目されるようになりました。そして、発達障害と診断される子どもが増えたことで、支援学校入学以外の選択肢(定時制やフリースクールなど)も広がったそうです。
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人事担当者ができることって?
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では、現場の人事担当者が、障害者雇用でできることについて考えてみましょう。
ご存知の通り、障害者の法定雇用率は、令和5年度から段階的に引き上げられ、令和8年7月からは2.7%とされています。そこで課題となるのが、「障害者=仕事ができない」という、一緒に働く人たち”思い込み”です。それが、障害を持つ方にとって「チャレンジできる機会がない」というミスマッチの原因につながっています。
そうした問題を解決するために、
・データによって、障害者の能力を可視化すること
・障害者を支援者する、支援者の質の向上を図ること
が重要となってきます。
それにより、職場の生産性が向上し、障害者1人1人にマッチした適正配置や工夫(=合理的配慮)が実現するんですね。
高橋さんからは、取引先企業での、その具体事例をいくつかご紹介いただき、参加者からの質問にも1つ1つご回答いただきました。
今回、人事担当のみなさんに知っていただきたいことは、これらの取り組みは、「障害者だけ」に運用可能なものではなく、一般社員の能力開発や外国人就労支援へも活用できるということです。
ダンウェイさんが目指す「誰もが働くことにチャレンジできる社会」って、こういうところから実現していくんですね!o(^-^)o
今日のレポートの冒頭でご紹介した、髙橋社長インタビュー「人事のすがお vol.9」の最後で、人事プロデューサークラブ代表の四分一が、こんな言葉で締めくくっています。
「高橋さんの行動力と想いが、いろんな人を巻き込み、このシステムを育てていったという経緯がよくわかりました」
行動力と想い。
障害者雇用に限らず、全ての人事担当者がもう一度自身に問いかけたい大切なキーワードではないでしょうか。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
高橋さんの行動力と想いが結実した「シームレスバディ®」、ご興味をお持ちの方は、下記までお気軽にお問い合わせください。
ダンウェイ株式会社
http://www.danway.co.jp/
TEL 044-740-8837
